2022年3月23日
「最近,ミオさんは60GHzのミリ波センサーを非接触バイタルセンサーに使わないの?とよく言われます。ちなみに弊社の現行の非接触バイタルセンサーは24GHzのマイクロ波ドップラーセンサーを搭載しています。60GHzに周波数が上がるだけで性能が良くなる的な考えの様ですが、根本的な違いがあります。
1,60GHzミリ波センサー(79GHz、90GHzもあり):自動車の自動運転等で脚光を浴びていますが、そもそもFM/CWセンサー(測距センサー)と呼ばれるもので、 距離を測るセンサーです。自動運転では簡単に言えば正面、後方、両サイドの対象物からの距離を測り、自動運転するという物です。これを非接触バイタルセンサーに使うとどうなるかと言うと、せいぜい距離は2~3m離れた所でベッドに静止してる対象者の脈・呼吸をセンシングすると言うことになります。これは呼吸(みぞおちの動きの凹凸)、脈(体表の血流による凹凸)をセンサー との距離の変化でセンシングします。呼吸はみぞおちの動きで数ミリの変化はありセンシングできそうですが、脈は静 脈の血流による凹凸ですのでコンマ何ミリの変化となり、距離の変化でセンシングするのは結構難しそうですね。
2,24GHドップラーセンサー:これはCWセンサー(ドップラーセンサー)と呼ばれています。この場合は対象物との距離を測るのではなくて、ドップラー効果とよばれる自然界の法則を利用します。上記呼吸(みぞおちの動きの凹凸)、脈(体表の血流による凹凸)をセンサーに 対して近づく・離れる場合の反射波の周波数の変化でセンシングします。近づくと反射波の周波数が上がって戻ってきて、離れると反射波の周波数が下 がって戻ってくると言うものです。ただ、反射波には脈の凹凸の周波数の変化と呼吸の凹凸の周波数の変化が混然一体として入っているため、それを脈と呼吸の周波数の変化に分ける必要があります。
つまり60GHzミリ波センサーと24GHzドップラーセンサーの違いは、脈・呼吸を、センサーとの距離で感知するのと、反射波の周波数の変化で感知するかになります。
この続きは次回説明します。