60GHz非接触バイタルセンサーについて

2024年4月1日

60GHzの非接触バイタルセンサーのNEWSを最近見かけます。まるでマルチプレーヤーのごとく、なんでもできるとうたっており少々脅威を感じています。そこで主にそのうたい文句を下記に上げてみます。

  1. 変調方式FM/CW(測距センサー)
  2. 出力10mW以下(電波法の規定)
  3. 脈数・呼吸数の感知
  4. 睡眠の質の感知
  5. 感知エリア5m
  6. 複数人を取れる
  7. 転倒感知

まずはこの60GHzのミリ波レーダーを使った非接触バイタルセンサーは基本的には測距センサー(FM/CWセンサー)の応用であり、もとは車の自動運転の方から来ています。測距センサー(FM/CWセンサー)とは車に搭載したセンサーと対象物の距離を測るセンサーですので、自動ブレーキとか自動運転には必須ですよね(反射波による)。

ではこのミリ波レーダーとしてのFM/CWセンサー(測距センサー)でどうやって上記3項の脈数、呼吸数を感知するのか?これは前提としてセンサーと対象の人間が固定されており、特に人間が動いていては取れません。と言うのは呼吸はお腹のミゾオチの数ミリの凹凸、脈は体表の静脈の血管の凹凸を取る必要がありますが、それとセンサーからの距離を感知という事になります。よって体がじっとしていて初めて出来ることなので、そこが重要です。

これは弊社の24GHzの非接触バイタルセンサー(ドップラー方式)でも同じです。という事で上記3項の脈・呼吸の感知は対象の方が動き回っっている場合は取れないという事になります。あとは距離ですが、上記2項のミリ波の出力が10mW以下と言う電波法の規定がありますので、対象の方がじっとしていて非接触バイタルセンサーとして脈・呼吸を取る場合の距離は最大1.5~2mと聞いています。あと睡眠の質の感知ですが、これもじっと寝ている方が、寝返りをうつことを距離の変化として感知できれば、その頻度で感知ができると思います。それと60GHzのミリ波レーダーとして複数人の感知が出来ると言うことですが、これはアンテナが非常に小さいので向きを変えた送信アンテナを複数用意しポーリングをかければ可能と思います。ただ、取得した複数のアンテナの数だけデータ処理を個別にするので、ハード的、ソフト的に複雑になり、結局高価なものになると思われます。

その上複数人の脈・呼吸までとれるとなると、対象の方が皆じっとしていることが条件となり非常に難しいと思われます。あとは転倒感知とかですが、非接触バイタルセンサーとしてではなく、単なる人感センサーとして使えば、さっきまで動き回っていた人が突然動かなくなったとかで感知できると思います。結論としては非接触バイタルセンサーとしては第3項、以下第4~5項は人感センサーとしての働きになると思われます。

Translate »